広島県府中市にある国登録有形文化財「恋しき」では、離れの茶室「明月庵」にて新たな文化体験「So/cha - Japanese Coffee Ceremony -」を2025年10月より開始しました。
茶道の精神と、珈琲発祥の地エチオピアの伝統的コーヒーセレモニーを融合させ、訪れる人々に歴史的空間で五感に訴える静謐な体験を提供しています。

歴史的建造物「恋しき」の新たな魅力

「恋しき」は明治5年（1872年）に料亭旅館として創業し、政財界や文人墨客に愛されてきた格式高い建造物です。木造3階建ての主屋と回遊式庭園、5棟の離れから成る建物は、府中市の象徴として親しまれています。近年、歴史的建造物の保存と商業活用を両立させる動きが全国的に進む中、「恋しき」でも、伝統的価値を継承しつつ現代の文化体験を提供する取り組みが始まりました。

「So/cha - Japanese Coffee Ceremony -」の魅力

本体験は、茶道のおもてなしの精神に、エチオピアの伝統的なコーヒーセレモニーの要素を加えた新しい静観体験です。茶室「明月庵」で提供されるのは、厳選されたトップスペシャルティコーヒーと、地元老舗和菓子店「菊壽堂」の上生菓子。香り・味・音・視覚・空間の五感すべてを通じて、唯一無二の時間を楽しむことができます。

体験プランは以下の3種類です。
・真：茶室で3種類のコーヒーと2種類の和菓子を楽しむ本格体験（1人5,000円、要予約）
・行：目の前で点てるコーヒーと主菓子の贅沢体験（1人1,700円、14時～17時）
・草：厳選コーヒーと主菓子を気軽に楽しむプラン（1人1,200円、14時～17時）

厳選素材と伝統の上生菓子

使用するコーヒーは、世界の生産量のわずか1%未満とされるトップスペシャルティコーヒーのみ。フルーティーで甘みのある豆を、繊細に調整可能な焙煎機で丁寧に焙煎しています。主菓子は、明治40年創業の老舗「菊壽堂」が季節感と美しさを表現した逸品を創作。珈琲との相性を追求し、体験に彩りを添えます。

地域活性化への展望

「So/cha - Japanese Coffee Ceremony -」は、珈琲を通じて日本の伝統文化と異文化が交差する新たな文化交流の場を提供します。歴史的建造物「恋しき」を活用し、府中市の観光振興や地域活性化、新たな雇用創出につなげるとともに、地域住民の郷土愛や地域ブランドの確立にも寄与します。

恋しき 施設概要

[住所]
広島県府中市府中町178
[営業時間]
9:00～17:00
[定休日]
なし
[予約・お問い合わせ]
TEL 0847-41-5140