世界遺産の厳島神社がある宮島は、広島を代表する人気観光地として全国・世界から多くの観光客が訪れています。
宮島へのアクセスは、対岸の宮島口からフェリーで向かうルートが一般的です。ここでは、宮島口から宮島へ向かうアクセス方法やフェリーの特徴、時刻表などを徹底紹介します。

スタート地点の宮島口へ向かうには

宮島への玄関口・宮島口へ向かうには主にJR・路面電車・車があります。

広島駅から宮島口へのアクセス

○JR電車
JR広島駅からJR宮島口駅までは420円・約30分と一番早いアクセス方法でオススメです。乗り換えもなくカンタンに向かうことができます。JR宮島口駅からはフェリーターミナルまで徒歩約3分。国道2号線は地下道を通って渡りターミナルを目指します。

○路面電車
広電広島駅から広電宮島口駅までは270円・約75分とJRより倍以上の時間がかかりますが、料金は多少安くなります。基本的にはJRがオススメですが、路面電車の旅を楽しみたい方や1日券を購入した方、時間に余裕のある方が利用するとよいでしょう。
フェリーターミナルは広電宮島口駅の目の前にあるので、降車後は便利です。

○車
広島駅からレンタカーを利用するなど車で向かう場合は、およそ25km・約45分で宮島口へ到着します。国道2号線へ向かい、西広島バイパスを利用するルートになりますが、ハイシーズンや広島市内で大型イベントがある場合などでは、混雑して到着時間が遅れる場合があります。
また、宮島観光のピーク時には、宮島口周辺の駐車場が満車になることや、駐車待ちで渋滞になり予定より大幅に遅れることがよくあります。時間に余裕を持って向かいましょう。

平和記念公園など広島市内から宮島口へのアクセス

○JR電車+他交通機関
平和記念公園や原爆ドームがある広島市内中心部からJRを利用して宮島口へ向かうには主に2パターンあります。
・交通機関「ラストラムライン」本通り駅→新白島駅、[JR乗り換え]JR新白島駅→JR宮島口に到着
・路面電車「原爆ドーム前」など市内の電停→広電西広島駅、[JR乗り換え]JR西広島駅→JR宮島口に到着
どちらもおよそ40分で、路面電車より早く宮島口へ到着できます。ただし、乗り換え時間がスムーズにいかない場合や乗り換えに迷った場合、結果的に路面電車と変わらない、又は遅くなったというケースもあるので、事前にしっかり確認の上で利用しましょう。

○路面電車
平和記念公園や原爆ドームがある広島市内中心部からは270円・約55分で宮島口へ到着します。JRを利用する場合と比べると多少時間がかかりますが、乗り換えがなくラクに向かうことが出来るのでオススメです。

○車
広島市内の観光地や宿泊先ホテルから向かう場合は、およそ20km・約35分で宮島口へ到着します。広島駅から車で向かう場合と同様のルート、同様の懸念点が挙げられます。

宮島は「島」です

観光客の中には、ごく稀に宮島を「島」と認識せず、陸続きにある観光地だと勘違いされている方がいます。そのため、宮島口に到着して初めてフェリーに乗船することを知った観光客が驚く様子を何度か見かけたことがあります。宮島は瀬戸内海に浮かぶ島なので、宮島行きの船に乗船して訪れましょう。

フェリーに乗船して観光地・宮島へ

昨年、宮島へは年間約465万人の来島者が訪れ、2019年の過去最多に次ぐ2番目の多さとなりました。さらに今年の1月から6月の上半期では約233万人で昨年を上回る来島者数となり、このほとんどが宮島口からフェリーに乗船して宮島へ渡っています。

宮島口旅客ターミナルの紹介

観光地・宮島への玄関口となっている宮島口旅客ターミナルは、2020年2月にリニューアルオープンし、宮島観光が益々便利に楽しくなりました。

リニューアル前までの宮島口フェリー乗り場は、2社が運航するフェリーの案内看板だらけでごちゃごちゃしており、一部地元の方からは神聖な宮島への入口に似つかわしくないとの声も上がっていました。また、それぞれのフェリー乗り場が離れており、乗り場を間違えて困惑する観光客が後を絶ちませんでした。

リニューアル以前の宮島口フェリー乗り場

宮島口旅客ターミナルは、これらの問題を一手に解消し、宮島観光客の満足度向上に一役買っています。
スタイリッシュな旅客ターミナル構内には、観光案内やお土産ショップに情報センターなど充実の施設で観光客をお出迎えしています。

また、併設する商業施設「etto」には、飲食店やお土産店などが多数集まり、食事や買い物が楽しめます。

フェリーターミナル周辺では今も整備が進められており、これまでに立体駐車場やしゃもじ広場が登場しています。

宮島航路の2大フェリー紹介

宮島口旅客ターミナルからは、宮島を繋ぐフェリー「JR西日本宮島フェリー」と「宮島松大汽船」の2社が運航しています。両フェリーとも10分から15分間隔で運航しており、乗船料金・所要時間・到着場所とも同一のため、基本的に早く乗れる方に乗船するとよいです。
ただし、大鳥居を間近で見るルートやお得なパスを持っているなどの場合は、それぞれのフェリーを選んで乗船することになります。

料金・所要時間など

宮島口旅客ターミナルから宮島桟橋までの所要時間は2社のフェリーとも約10分で、料金は片道200円です。2023年からは、「宮島訪問税」が1人100円必要になったため、行きの便で乗船券と合わせて支払うことになります。片道券では200円+100円で300円、往復券では400円+100円となります。 ただし、未就学児や修学旅行生などは宮島訪問税が免除されます。
フェリーチケットは現金のほか、全国11種類の交通系ICカードが利用可能です。
○所要時間：[宮島口-宮島]約10分
○運航間隔：通常時の日中は15分間隔、休日など多客時の日中は10分間隔
○料金：片道200円、往復400円
○利用可能な交通系ICカード：PASPY・ICOCA・Kitaca・PASMO・Suica・manaca・toICa・PiTaPa・はやかけん・nimoca・SUGOCA
※小学生は半額、未就学児は大人1人につき2人まで無料
※別途宮島訪問税が1人100円必要

フェリー2社の特徴

大鳥居が間近で見れる「JR西日本宮島フェリー」

JR系列のフェリー会社が運航。最大の特徴は、大鳥居沖を経由する航路「大鳥居便」です。

○大鳥居便
海上から厳島神社と大鳥居に近づき正面を通過するため、海上参拝や撮影スポットとして人気を集めています。
9時台〜16時10分の全ての便が、大鳥居に近づく「大鳥居便」として運航されます。なお、大鳥居便以外の便でもハイシーズンや観光客が多く乗船する便の場合は、大鳥居便として臨機応変に対応してくれます。

○早朝便から夜間便まで運航
JR系列の運航ということもあり、公共交通機関の役割として早朝から夜間まで運航が行われています。宮島へ向かう始発便は6時25分、宮島から出る終発便は22時14分。朝・夜の便数は少ないものの、島民はもちろん観光客にとっても便利な運航が行われています。

○JAPAN RAIL PASS
JRでは、訪日外国人旅行を対象にしたお得な交通切符「JAPAN RAIL PASS(JRパス)」を販売しており、JR西日本宮島フェリーもこのパスの対象であることから、外国人観光客の多くが利用していることも特徴です。特に桜の時期や紅葉シーズンには外国人観光客がフェリーの中に溢れます。

お得なチケットが多い「宮島松大汽船」

全国的にも有名な広島の路面電車を運行する広島電鉄の系列会社が運航。松大汽船は、路面電車とセットになった1日券や宮島ロープウエーとセットになった1日券、宮島土産とのセット券などお得なチケットが充実していることが特徴です。


○一日乗車乗船券
広電路面電車全線とフェリー(宮島松大汽船)が1日乗り放題。
[価格]大人1,000円/ 子供550円
※宮島訪問税(100円)含む
[購入場所]路面電車内乗務員、広島駅電車案内所、電車定期券窓口、広島市内主要ホテルなど
[有効期限]乗車日当日
例)広島駅から原爆ドーム前で下車、平和記念公園を見学後に宮島へ向かい、観光後に広島市内へ戻った場合、合計1,260円で260円お得。
[特典]1日券の利用日であれば、宮島ロープウエーが大人500円割引、小児250円割引

○エンジョイチケット
フェリー(宮島松大汽船)の往復チケットと宮島ロープウエーの往復チケットがセット。
[価格]中学生以上2,100円/子供(小学生)1,100円
※宮島訪問税(100円)含む
[購入場所]宮島松大汽船「宮島口」窓口
[有効期限]購入日を含め2日
※未就学児は有料チケット1名につき1名無料
※0歳児は無料
★中学生以上は400円お得！子供は200円お得！

○宮島お得じゃ券
フェリー(宮島松大汽船)の往復チケットと、3種から選べる宮島スイーツ券。
[価格]大人600円
※宮島訪問税(100円)含む
[選べる宮島スイーツ]紅葉堂の揚げもみじ1つ・鳥居屋のもみじクロワッサン1つ・やまだ屋のお買い物券200円分
※3種のうち1種
[購入場所]宮島松大汽船「宮島口」窓口
[有効期限]購入日を含め2日

[2社共通]広島牡蠣を育てる「牡蠣いかだ」を間近で見学

牡蠣の生産量日本一を誇る広島では、沿岸の様々な地域で牡蠣が育てられています。宮島口-宮島間の航路からも牡蠣が育てられている「牡蠣いかだ」を見ることができます。この海域では広島のブランド牡蠣も育つなど、一大生産地となっています。
フェリー航路から見ることができる「牡蠣いかだ」は、フェリー3階の展望デッキから見学するとよく見えます。

時刻表

○JR西日本宮島フェリー
[通常ダイヤ]通常時は日中を15分間隔で運航

[多客時ダイヤ]休日等の多忙期は日中を10分間隔で運航

○宮島松大汽船
[通常ダイヤ]通常時は日中を15分間隔で運航

[多客時ダイヤ]休日等の多忙期は日中を10分間隔で運航

高速船も運航

宮島口旅客ターミナルからは、アクアネット広島による高速船も運航しています。料金は大人1人400円とフェリーの倍になりますが、運航時間は5分でフェリーの半分の時間で宮島へ到着します。 運航間隔が20分あるので、乗船のタイミングが合い少しでも早く宮島へ向かいたい観光客にはオススメです。
○所要時間：[宮島口-宮島]約5分
○運行間隔：20分間隔
○料金(片道)：中学生以上400円、小学生200円
※大人１名につき、小学生未満1人無料

時刻表

高速船最大の特徴は、宮島口から宮島を経由して平和記念公園まで向かう「通しきっぷ」です。 宮島から平和記念公園までは「世界遺産航路」が運航しており、片道2200円で乗船できます。
「通しきっぷ」では、プラス100円で宮島口から宮島航路を追加できるお得な切符となっています。 宮島から瀬戸内海の旅を楽しみながら広島市内へ向かうオススメのルートです。
[通しきっぷ]
○航路：宮島口→(約5分)宮島→(約45分)平和記念公園
○料金：大人2,300円、子供1,200円